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震災6ヶ月後の被災地 [震災]

初日午後、仙台港北インターを降り、七ヶ浜街、塩竈市、松島、そして石巻市を廻ってきました。
結論としては、やはり海に近くもろ津波のパワーを受けたところの被害状況は凄く、木造の家は跡形もなく土台のコンクリートが虚しく残っています。
これは七ヶ浜町での写真です。
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それに比べ、塩竈市や石巻市の若干内陸の津波の直接のパワーを受けずに浸水だけの地域は、比較的復興が早く、普段の生活を取り戻しているように感じました。
石巻市国道398号の様子。
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また思った以上に被害が少なかったのは松島で、外海に対して幾つも点在する島々が松島への津波のパワーを軽減したことによるそうです。
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でも今回の短い滞在で最も印象的だったのは七ヶ浜町にお住まいの方との縁側対談でした。

七ヶ浜町を仙台方面から海岸線沿いに走っていくと徐々に崩壊した家々が見えてきて、花渕の港に近い場所でポツンと一軒津波に耐えたお宅が見えてきました。
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近づいてみるとそれは大成建設のコンクリート住宅パルコンで、廻りの家々が崩壊して土台しか残っていない中、しっかりと原型を留めています。
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お忙しいところお邪魔かと思いましたが、とにかく話を聞いてみようということで、声を掛けさせて頂いたところ、快く今の実情をお話して頂きました。

その方がお歳80ン歳の鈴木さんです。
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現在、高台に避難されていて、昼間だけこちらに戻ってこられているとのことです。
震災当日、津波は外洋側からの直接の津波と、塩竈、松島に津波が当たってからの反射してくる津波があり、実は家の北側(裏側)に当たるところがこの反射津波によってかなりのダメージを喰らったとのことでした。
家本体は無事でしたが、やはり北側の窓、雨戸、雨どい等がやられています。
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とにかく人と話したいんだということで、こうやって自分の話を聞いてくれること自体でも、それがその人にとっては励みになり、ボランティアで具体的に何をするでもなくても十分ですよとのことでした。

話を聞いていくうちに、まずは行政の決定の遅さ、そして住民同士の心の繋がりがここにきてギクシャクし出している現状が問題になってきていることを知らしめられることとなりました。

まずは、家の損壊状況の判断ですが、他県から行政の人たちがやってきて、全壊、半全壊、半壊の判断を一律に建物がどれくらい壊れているという指標ではなく、津波が家の中のどの高さまで浸水したかで判断しているとのことです。
具体的には、鈴木さん宅では家の1Fのリビングルームの壁の天井から少し下の部分までしか浸水していなかったため、半全壊と判断され、鈴木さんのお宅の道を挟んだ1階建てのお宅は、屋根の瓦の上の部分が津波で剥ぎ取られているため、これは全壊との判断だとのことです。
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これによって、一時補助金も半全壊の場合、全壊の約半分となってしまったとのことでした。
行政側も何らかの具体的指標にて決定していかなければならないのでしょうが、津波の来た方向、測定する場所によってその高さも違う、そして家の土台の高さによっても部屋の天井の高さは当然違うので、そこら辺の判断基準がそれぞれのケースで補助に対していい方向に働く場合とそうでない場合とがあり、かなり住民の方々は大変な思いをされているようです。

そして、テレビでも報道されている今後のことで、高台に町ごと移転するか、道路をかさ上げして、この土地に住むかという問題も、やはり行政側の判断が遅く、家を直すにも高台に移転するという決定がされてしまっては投資した分が無駄になるとのことで、直すに直せない状況があるとのことです。

またボランティアの方々が、毎日遠くは九州から来てくれているので、本当に感謝しているとのことでした。
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但し、せっかく来てもらっているのに問題は仮設トイレが近くにはなく、女子の大学生も来ているのにこれでは大変ということで、2Fのトイレをボランティアの方々に提供されているとのことでした。

このような温かい方がいる半面、高台の仮設住宅では、いろいろな方面からの方が集まってきているので、皆さん生きるため、仕事も決まらない方々がいる状況下、朝散歩している方、ご近所さんとの当たり前の挨拶が、こちらから挨拶しても挨拶の返事がない方が若干いることに嘆いておられました。
だから、避難している仮設住宅はそういうコミュニケーションがないので、日々あまり面白くないので、ボランティアの来られている昼間だけはお宅に帰っているとのことした。

このように、現実的に被災者の方々は、今後の住むところ、金銭的問題、さらに地域住民同士の気持ちの問題等が山積みになっている中、御苦労されていることを実感しました。
我々が何をコメントすることは出来ませんが、少しずつでも具体的にいい方向に向かって進んでいくことを切に願います。
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